スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
FC2 Blog Ranking

鮮烈な赤と、ビロードのような黒~その1 

何年も前に、横浜美術館の「ポンペイ展」に出かけたことがありました。
初めこそ、壁画の色彩の想像以上の美しさに驚き、描かれた人物達の様々なポーズを興味深く見ていたのですが、見ていくうちに、次第に違和感を覚えるようになってきたのです。

壁から無理やり剥ぎ取られた壁画の一部分が、
いくつもいくつも何の脈絡もなく横に並べられていて、
臨場感がないというか、不自然な感じがしたのです。
その時思いました。こういう平面、2次元ではなく、3次元でポンペイを体感できたら…。

しばらくして、実際にポンペイに行く機会を得ました。ところが、夢に描いたポンペイの実像は、ただひたすら広い、どこをどうやって見ていけばよいのかわからなくなるような巨大な廃墟。そのオープンスペースの建物跡にわずかに残る壁画や遺留品を捜し求めて歩き、どうということもない表札や、台所跡のようなところを、やっといくつか見つけては小躍りし(多くの物が、博物館に移されているのです)、あとはひたすら歩き続け、真夏だったこともあり、とにかく疲れた、というのが実感でした。私をポンペイまで連れてきてくれたナポリの友人が熱中症のような症状に陥るというおまけまでついて、ポンペイ旅行は、期待はずれに終わりました。もし、あの旅行中に、ポンペイ遺跡の出土品を多く展示しているというナポリ国立考古学博物館に立ち寄ることが出来ていたら、もう少し収穫のある旅になっていたのではないかと、後になってそのことが悔やまれました。

そういう過去の経験から、「ポンペイ展」がどこかで開催されると聞くと、興味を持ちつつも、また期待ハズレになるのでは?という悲観的な考えが頭を占め、今まで行けずにいたのです。

そんな私が、あのポンペイ展以後初めて、しかも同じ横浜美術館で開かれているポンペイ展(~6月13日)に行ってみようと思い立ったのは、
壁画以外にも、国外初出展の銀食器や装身具などが展示されていると知ったからです
ポンペイ パンフ表 ポンペイ パンフ裏
<クリックで画像拡大>
結論から言いますと、今回のポンペイ展は、行って本当に良かった。見ごたえがあり、大変面白かったです。展示されているナポリ国立考古学博物館所蔵の約250点のセレクトがいい!
前述の銀食器や指輪、腕輪、耳飾などの装身具、化粧道具もさることながら、初めて実物を見た噴火犠牲者の型取り(火山噴出物中の、遺体があった部分だけが腐ってなくなり空洞ができ、後年その部分に石膏を流して型を取ったもの)や、個人住宅の浴室に残されていた大理石の浴槽とそこにお湯を供給する給湯システム(鉛製の水槽や給湯槽、パイプなど)という珍しい展示品、さらにガルムという魚醤(魚を発酵させて作る調味料)を入れていた壷、その壷を描いたモザイク、宴会の時に用いた食事用臥台、庭園に置かれていた美しい水盤、そして楽器まで。今まで見たことの無い展示物のオンパレード。

以前の展覧会やポンペイ遺跡ではよくわからなかった当時の人々の暮らしぶりや、そこに根付いていた文化を、充分に感じ取ることができました。そうなのです。展示されているものが2次元か、3次元かという問題ではなく、ヴェスヴィオ火山が噴火するまで、人々が確かにポンペイというその地で日々の生活を営んでいた、ということを実感できる展覧会であったということが、私に「今回のポンペイ展は行って良かった」と思わせた所以です。

壁画も、多様なものが描かれていて、以前の違和感を感じることなく、楽しく鑑賞できました。ポンペイの壁画というと、人物が描かれたものを想像しがちですが、風景画や静物画もあり、鳥や植物、面白いところでは、パンが描かれたものもありました。

壁画に使われている色の中では、やはりポンペイ・レッドと呼ばれる鮮烈な赤色が印象的でした。
 ・参照横浜美術館 公式サイト
 
 ・関連記事歴史にちょっぴり浸かる
       展覧会記事

    つづく
FC2 Blog Ranking

art・芸術・美術学問・文化・芸術

コメント

私はトロイ

遺跡とは全く、予備知識と想像力が不可欠な場所です。
最初に遺跡に行っても疲れるだけで、ポイントも判らないことをさんざん経験しているので、近頃はまず博物館を見てから遺跡に行くことにしています。
ところがそれができないことも!
ギリシャでは考古学博物館が休み!
トルコに至っては、トロイの秘宝はシュリーマンが国外に持ち出したのでしょうか?全くと言っていいほどキンキラにお目にかかれず、遺跡を歩くことになりました。
幸いにもシュリーマンが好きで、著書などを小さなころから読んでいた為に救われましたが。
ポンペイに行く予定の方は、是非足を運んでもらいたいですね。
5月に古代ローマのお食事再現会があります。今上智の古代地中海講座を取っていますが、興味があれば、お食事会だけ参加できないか聞いてみますよ。

碧さん

>まず博物館を見てから遺跡
というのは理想的ですね。つい、遺跡を真っ先に見に出かけてしまうのですが、遺跡で発掘されたお宝がそのまま残されていることは稀ですものね。クレタ島のクノッソス宮殿遺跡の場合は、博物館に収めてある本物のフレスコ画の代わりに遺跡のほうにはレプリカがはめられていたので、遺跡であっても大変見ごたえがありましたが。

古代ローマのお食事再現会ですか?ユニークな勉強会ですね。面白そうですね。ですが、碧さんのブログで報告していただけたらなぁと期待しています。ダメですか?
お誘いいただいて、本当にありがとうございました。

シュリーマン!彼の書いた自伝を読んで、多言語の習得を真似してみようと試みたことがありましたが、いつの間にか挫折し、今に至っておりまする。

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://siccomesiciliana.blog9.fc2.com/tb.php/646-7996dee6

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。