本物を観ずして… 

NHK教育テレビで放送されている「日曜美術館」を、久々に観ました。というのも、新聞のラテ欄を見て、
今回、クリムトを取り上げるらしいと知ったからです。

クリムト(Gustav Klimt)は、私が好きな画家の一人。TASCHEN(タッシェン)社を取り上げた過去の記事
バラとコミックの関係の中でも、クリムトの『抱擁』が表紙になった電話帳を使っている、と書きました。

番組では、クリムト作品の特徴、エロスと金の多用という二つの点に焦点を当てて、世紀末のウィーンに生きたクリムトの実像に迫る、といったような内容でしたが、番組の出演者で、クリムト作品を間近で見た経験をお持ちのアートディレクター 結城昌子さんの あるコメントに、
ハンマーで頭を殴られたような衝撃を覚えました

金を使ったクリムトの作品を近くで見てみると、表面がまっ平らではなく、凹凸があり、絵と言うよりも金の工芸品という印象で、今まで印刷物で見ていた作品とは、全く違うものだった。素晴らしかった。というようなことを(正確には、どのようにおっしゃっておられたか、記憶が定かではないのですが)おっしゃっていたのです。

私はクリムトの絵が好きだと言っておきながら、しかも、クリムトを取り上げたドキュメンタリーや情報番組を何度も見ているので、クリムトの絵を良く知っていると思い込んでいたけれども、たったの一度も、本物の絵をこの目で観たことがないのだ、ということに気が付いたのです。 
本物を観ずして、何がわかるのか
 
 ・参照クリムト(Wikipediaより)
     クリムト関連品

 ・関連記事クリムト展とアール・ヌーヴォー展

この「日曜美術館」を観た前日、つまり土曜日には、行ってみようかと思った ある展覧会が、すでに終わってしまっていたという事実を知り、がっかりしたばかりでした。
上野の国立西洋美術館で開催されていた
ルーヴル美術館展」。

6月14日に東京での展示が終わり、今は、6月30日(火)から始まる京都市美術館での展示の準備期間なんですね。

2月末から国立西洋美術館でルーヴル美術館展が開催されていたことは知っていました。我が家で取っている読売新聞では、連日の様に関連記事が掲載されていたんです。
でも、あまり関心がなく、記事をスルーしていました。東京展閉幕も、恐らく記事になっていたのでしょうが、まったく気がつかなかったのです。

ここ数ヶ月、観に行きたいという気持ちがちっとも沸いてこなかったんですよね。

展覧会には目玉作品がつき物ですが、今回のルーブル展の宣伝で良く見かけたフェルメールの「レースを編む女」、これが、私の好きな作品ではなかったということ。さらに、公式サイトで見かけたその他の作品も、特別私の関心を引くものではなかったこと、つまり、わざわざ出かける価値を見出せなかった。というのが、展覧会に出かけなかった理由です。

ところが、宣伝に使われなかった展示作品の中に、原画を是非とも観てみたい、と思わせる秀作(あくまでも私の価値基準ですが)がいくつかあることを知ったのです。

読売新聞では、展示作品を厚手の紙にカラープリントしたものを、毎月配布していて、集金の際に頂いていました。最近になって、すでに頂いていたものを見たのですが、その絵の中に、秀作があったんです。

一つは、3月に頂いた ピエール・ミニャール(Pierre Mignard)作
ド・ブロワ嬢と推定される少女の肖像』。
ピエール・ミニャールは、日本では馴染みが薄いですが、17世紀のフランスで活躍した、主席王室画家です。

そして、もう一つが、5月に配布された
ジャン=バティスト・カミーユ・コロー(Jean-Baptiste Camille Corot)作
ヴェネツィア、広場と円柱』。
コローと言うと、風景画、その中でも葉の生い茂った木が描かれた作品しか知りませんでしたが、このヴェネツィアのサンマルコ広場を描いた作品、色合いが素晴らしいです。

この2作品、原画をやっぱり見てみたかったです。後の祭りですけど。
 ・参照読売新聞・額絵シリーズ ルーヴル
     ルーヴル美術館展 公式サイト
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日記日記

コメント

クリムト

ああ、日曜美術館で取上げられていましたね!
何か別のことをしていて、バタバタしながら横目でちらちら見ただけなので、オルサさんが書いておられるコメントとかをちゃんと聞いていなくって・・・。

クリムトは、ずーーーっと昔、ウィーンを訪れた時、ベルヴェデーレ宮殿(美術館、でしたっけ)で本物を前にしたことがあります(「接吻」だったかなー)。
あまり混んでもおらず、あの超名作を前に、外国のことでもあり、何だか非現実的な体験でした。
何ともいえず、独特のパワーを感じる絵だったと思うけれど・・・あ~、もうずい分昔のことになってしまいました。
私も「ルーブル」見損ねました。

今年は

クリムトを折り紙でやろうと目論んで、キンピカの髪を集めています。
理由はいたって単純…
去年ゲルニカでモノクロ世界だったので。

lazyMiki さん

「接吻」をご覧になったことが、おありですか!!!羨ましいです。
今まで何故か、「実物を観たころがないんだ」ということを、全く意識したことがなかったんです。
印刷されたものだけで、十分満足してしまっていたんでしょうね。

>独特のパワーを感じる絵
でしたか。もし仮に、クリムトの存在も作品のことも全く知らない予備知識ゼロの子供が、初めて実物を目にしたら、どんなことを感じるのかな?と、ふと考えます。印刷物でも、眩しいくらいの金、本物はさぞかし眩しいでしょうし、一種独特の雰囲気がありますものね。子供は怖がるかな?

碧さん

クリムトを折り紙で、ですか。
ゲルニカのモノクロ世界とは好対照ですね。クリムトが金を多用した3つの理由(背景)を、番組の中で紹介していましたが、一つは、クリムトの父親が金細工師で、金が身近なものだった。一つは、ビザンチン美術の影響、そして、屏風など日本美術の影響だそうです。
日本美術の影響を受けて独自の世界を築いたクリムト。その作品によってインスピレーションが沸き、日本人が折り紙を折る。新しい芸術は、こうやってどんどん作られていくんですね。

そして、

クリムトとエジプトとの関係も深いのです。
ウィーンの美術館でまず目に入ったエジプト調モニュメントがとても印象的でしたが、これもクリムト。
NYのノイエギャラリーでクリムトを堪能しました。オルサさんもこうなったらぜひ。NYでご対面を!(笑)

碧さん

ウィーン、さらにNYのノイエギャラリーにもいらしたんですね。

クリムトとエジプトとの関係ですか。これはちょっと、きちんとクリムトの評伝や伝記を読まなくちゃいけませんね。その後に作品とのご対面が叶えば、言うこと無しなんですけどね。

そういえば今まで、芸術作品を観るのが目的で海外に出かけたことがありません。遺跡を観るためにっていうのはあるんですが。今度機会があれば、是非、作品を観るための旅をしてみたいです。

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