2009年のお正月~その2 

2009年のお正月~その1の続きです。

歌舞伎の市川猿之助さんが舞台演出を手がけたリヒャルト・シュトラウスのオペラ
影のない女影のない女」のDVD、あったにはあったのですが、日本語の字幕は出ないようです。 ドイツ語、英語 は当然として、イタリア語、フランス語、スペイン語まで用意されていながら、このオペラが上演された日本の言語、日本語による字幕がないなんて、おかしくないですか?オペラのDVDを買う人ってそんなにも少ないのでしょうか?日本では馴染みのない演目ゆえに、販売ターゲットから始めから日本ははずされているのか?どうも合点がいきません。

まぁとにかく、DVDが存在したわけですから良しとして、購入することにしました。国内発送の場合よりも新品のインポートの方が安いので、そちらを選択しました。

家に届いたのが、2009年1月1日。年賀状を除いては、今年初めての郵便物となります。
両親が実家へ年始参りに出かけた2日、たっぷりと猿之助版「影のない女」を堪能しました。

そうそう、昨年中に、ある程度のストーリーを把握しておいた方が良さそうだということで、下のサイトに載っていたあらすじをプリントアウトして、読んでおきました。
 ・こちらオペラ座の夢の夜

冒頭で、登場人物たちの歌舞伎を彷彿とさせる衣装を見て、「やはりこういうことになったか」と、一瞬残念な気持ちになったのですが、見慣れてくると、登場人物と衣装との違和感を感じなくなってきて、むしろこれ以外の衣装では考えられないと思えるほど、登場人物の特徴や人格との一致を感じとりました。(登場人物の全てが歌舞伎風衣装というわけではありません。)

字幕ですが、イタリア語で見ることにしました。ベタで字幕が出ているわけではなく、要所要所、コンパクトに出てくるので、歌詞の意味を
100%理解できないことに多少苛立ちを感じた部分もありましたが、字を目で追う時間が短い分、演者の表現力:表情や細かいしぐさまでしっかりと見ることができ、また、どんな意味なんだろうかと想像しながら歌を聴き、曲相からR.シュトラウスの意図を推し量り、あっと言う間の3時間でした。

以前の記事シチリアの騎士道~その3 の中で、
「オペラをテレビで見る場合、飽きてチャンネルを変えてしまうことがしばしば。いや、ほとんど」
と書きましたが、今回は内容がいいため、しっかり集中できました。

演者の中では、乳母を演じたマルヤナ・リボウシェク(Marjana Lipovšek)の歌声と演技に釘付けとなりました。後半では、それまで乳母の言いなりだった皇后が、一転、自分が石になってしまってもいいと腹をくくってから、その皇后を演じたルアナ・デヴォル(Luana DeVol)のアリアに圧倒されました。

舞台の演出に関しては、皇后の影の有無(影のない女とは皇后の事です)をきちんと見せられる様工夫され、照明の巧みさを感じました。最後、金色の布が波打ち、かと思うと一瞬にして橋のある美しいシーンに変わり、二組の夫婦の幸せな姿が影と共に浮かび上がり、今までの薄暗い世界から光の世界、愛や幸福感に包まれた世界への場面転換が見事で、素晴らしかったです。圧巻の舞台でした。

そして、カーテンコール。観客達の拍手や「ブラボー」の掛け声を聞きながら、私自身も拍手をせずにはいられませんでした。


さて、2日に「影のない女」を観た後、何と3日と4日には、12月23日にBSで放送されていた「まるごとプッチーニ」、録画しておいたものを観たんです。

お正月、いつもは面白くも無いテレビ番組を、だらだら見ながら過ごすのですが、一年の初めに良質のオペラを鑑賞するというのは、すがすがしい気分になって、とてもいいことだなって思いました。
 ・関連記事文は人なり、文は演技なり
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コメント

明けましておめでとうございます

遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。
オベラで年明けなんて、おしゃれですね。
私はまだちゃんとしたオペラをみたことがありません。
一度劇場に行って見たいな。
素敵な一年になりますように。^^

ぶーけさん

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

さて、オペラって、ちょっととっつきにくいところありますよね。たとえアリアが好きでも、一つの演目が果たして面白いのか?観てみないとわからないし、でも同じ2~3時間なら映画の方が確実に楽しめそうですものね。
劇場で見る場合、チケットが高くて、私も尻込みしてしまいます。DVDならその点、お手軽です。

「影のない女」というタイトルから、幽霊の話かと想像してたのですが、あらすじを読んだら全然違ってました。面白い話ですね。
わかりやすい邦題がついてたら、私のようにオペラの知識のない者にも親しみがわくのに…と思いました。

日本語の字幕がなくても舞台演出のすばらしさが伝わって、よかったですね。私も何か新しい体験をしてみたいです。

創 さん

このタイトルは原題を直訳したもののようですが、確かに、おどろおどろしい雰囲気がありますよね。蝶々夫人とか、椿姫などのタイトルと比べると華やかさがないし。でも実際に見てみると、大変面白い内容でした。
あまり有名でないオペラを見る機会は少なくて、仮にテレビで放送されていてもわざわざ観てみようという気もおきにくいです。今後は、アンテナを張って、情報を集めて、いろいろなオペラ作品を観てみようと思います。

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