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漂泊の末に見つけたものは 

目の前に広がる砂丘の美しさに、思わず手を伸ばし、そっと砂を手にすくってみました。
手からするするとこぼれる砂。
わずかに手のひらに残った砂を、じっくりと見つめていると、そこに、何かが光っていることに気が付きました。何だろう?あっこれは…。


私の、この小説との出遭いは、このような偶然から生まれました。もちろん私は、砂漠に居たわけでも、砂を実際にすくったわけでもありませんが、何となく手を伸ばしてみたら、そこにたまたま私が望んでいたような小説があったのです。
具体的に説明すると、

このブログの左サイドに設けている小さな本屋さん「休日の愉楽」。自分でカテゴリーを作り、分類し、本の入れ替えをしているamazonのインスタントショップなんですが、そこに表示された類似商品(これは、自分で選んでいるわけではなく、自動的に表示されます)の表紙の絵とタイトルに惹かれ、ある本の紹介ページを開いてみたんです。内容を読んでみると、それほど興味を持てなかったのですが、
そのページに、たまたま表示された別の類似商品
漂泊の王漂泊の王の伝説」。

これこそが、すくった砂の中にあった光るものです。

砂漠の王国、キンダの王子ワリード。見目麗しく、王子にふさわしい品格や教養を持ち、老いた父王を助け、民からも他国の君主からも賞賛され、信頼されていた一人の聡明な王子。その主人公が、一人の男に嫉妬の感情を抱きます。嫉妬、この負の感情がひとたび王子の心に巣くってしまうと、王子はかつての聡明さも寛大さも冷静さも失い、遂には自分の王国を、滅亡へと向かわせてしまいます。
そして、王子の漂泊が始まります。自分を嫉妬させた男の織った一枚の絨毯、盗まれたその絨毯を探す旅。


旅によって人間が成長していく話って、よくありますよね。この小説も、簡単に言ってしまうと、そういう話です。しかし、旅の途中で、運命に導かれて出逢う人々、その人々との出逢いを通して内的に成長していく王子の姿から、この小説が気づかせてくれるのは、人間の愚かさと同時に、行動と決断が与えてくれる未来の可能性。
王子が探す絨毯とは、王子にとって、いったい何だったのか? その答えを、是非この小説から導き出してみてください。

この本は、スペインの作家 ラウラ・ガジェゴ・ガルシア(Laura Gallego García)著のバルコ・デ・バポール児童文学賞 受賞作品のため、日本でも児童文学と分類されているようですが、「子供のために書かれた」という感じがしません。漢字にルビがふってあるものの、日本語への翻訳も、子供用にわかりやすい言葉を選んでいるようにも思えません。アラビアの語り部が、問わず語りに話し始めた物語を、近くで聞いているかのように錯覚する、そんな、幻想的で、多くの示唆に富むお話です。

最後に、小説の中で引用されている、アラブの詩句の中から一句。

舌は人間の半分、もう半分は心。
あとは血と肉のみ。
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読んだ本。本・雑誌

コメント

面白そうですね

偶然に素敵な本に出会う、って素敵ですね。^^
これ、面白そうですね。

ワリード

知りませんでした!この本。興味深いです。
問題は、今私を困らせているエジプト人の名前がワリードなんですよ!
もう少ししてから(笑)

ぶーけ さん

これは本当に嬉しい偶然でした。
自分が楽しめそうな本を探すために、新聞の書評に目を通したり、本屋に立ち寄ったり、いろいろしてますが、そうそういい本には巡り合えません。
そういう意味では、今回はラッキーでした。

碧さん

ハッハッハッ!碧さんにとっては、嫌な偶然でしたね。
そうですか、碧さんを困らしているのは、エジプトのワリードですか。
アラブ系の名前って、ムハンマドの他は、あまり知らないのですが、ワリードって、多そうですね。

ご無沙汰してます。

こんな本の出会い方って、新鮮ですね~。
ちょっと読んでみたいな…。引用文もなんだか、深い!!!

Quioscoさん

素敵な本との出合いって、本当に幸せな気分にさせてくれます。もちろん、素敵な人との出会いは、さらに嬉しいものですけど。

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