サガンを観たい~その3 

フランスで公開中の映画「Sagan」を紹介し、そして「悲しみよこんにちは」について書いた
サガンを観たい~その1

記憶を頼りに、さらに思い出を綴った
サガンを観たい~その2

今日はその続き、このシリーズの最後となります。

サガンの死後に取材され、放送されたドキュメンタリー番組。サガンが来日した際に対談をした経験を持つ
作家 瀬戸内寂聴さんが旅人となり、サガンゆかりの地を訪ねます。
まず、サガンの一人息子ドニと会い、彼女がかつて住んでいた家に案内してもらいます。引越し魔だった彼女が40代に住んでいた瀟洒な一軒家には、古代ローマの劇場を髣髴とさせる素敵な中庭がありました。そこでいつか、自分が書いた戯曲を上演してみたいと、息子に語っていたとか。彼女は「スウェーデンの城」など、戯曲も手がけているのです。
 ・参照la mia libreriaより

その後 寂聴さんは、サガンの原点を探るべく、彼女が生まれ育ったカジャール(Cajarc)という小さな村を訪れます。
子供の頃、遊び仲間だったという地元の男性に話を聞きます。おてんば娘で、男の子たちと一緒に木登りをしたり戦争ごっこをして遊んでいたサガンが語られます。

パリに引っ越した後の、高校時代のサガンを知るのは、親友 フローランス・マルロー(Florence Malraux)。フローランスはフランスの作家・政治家として知られるアンドレ・マルロー(André Malraux)の娘で、サガンの小説「ある微笑」は、彼女に捧げられています。

誰よりも自由な精神を持ち、読書が好きで、特に好きだったプルーストの作品は、すべて読破していたという当時のサガン。フローランスとは、本の話題や、あるいは幼い頃の戦争体験(第二次世界大戦)をよく語り合っていたといいます。「悲しみよこんにちは」の出版後には、2人でイタリア旅行をした思い出も。その後も2人の友情は続きます。

そして、晩年のサガンは、サガンを観たい~その1の冒頭に書いたように、体調を崩し、金銭面でのトラブルを抱えていました。最後の4ヶ月を過ごしたオンフルールの別荘は、厳密に言うと当時すでに彼女の持ち物ではなく、差し押さえられそうになっていたのを友人が買い取り、彼女に提供したものです。取材当時、彼女が生前使っていたものがそのままの状態で残されていて、原稿を書いた机もペンも、車椅子で化粧室に向かう時につけた壁の傷も、作品のタイトルを刺繍したクッションも、大好きなプルーストが使っていたものと同じ型でお気に入りだったベッドも、主を失った何もかもすべてが、サガン、その人を語っているようでした。


番組中、サガンの作品の中から抜粋した文章が、度々紹介されました。
その中で印象に残ったのが、サガンが54歳の時に書いた小説
愛は束縛」の中の言葉。
主人公は、売れない作曲家。ある歌で成功をおさめ、自分で稼いだ金をやっと手にしようというその時に、7年間の結婚生活を顧みるのです。そして、結局自分は孤独だったと気が付いたときに吐く独白。

私はその小説を読みたいと思うや、矢も盾もたまらず、すぐに本を入手し、一気に読みました。
20歳前に、その瑞々しい感性で才能を認められた作家 サガンが年を重ね、表現力、描写力に磨きがかかり、音や香りでストーリーに心地よいアクセントをつける術も身に付けていました。
訳者の河野万里子さんが、あとがきに書いた
「さまざまな経験を重ねてきたサガンの筆の円熟ぶり
が感じ取れました。

ただし、本人も言っているように、小説のテーマは、若い時の作品から一貫して

愛と孤独

その愛と孤独をもっと読みたくなって、さらに別の小説2冊を注文してしまった私です。
 ・参照フランソワーズ・サガンの作品

私が見た番組のタイトル、調べてみました。
「世界・時の旅人 フランソワーズ・サガン その愛と死」

いつか再放送されるといいですね。それまでは、この番組の内容を記事にしたサイトを見つけましたのでご参照ください。
 ・こちら前篇
     後篇

 ・関連記事映画「サガン」を観て 
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コメント

だから

愛と孤独、なんですよね~恐らくこれが、私がサガンを遠ざけている理由だと思います。
作品はすばらしい。そして、「愛と孤独」がひしひしと伝わってくる…なお且つ外は雨!(私の場合)
私自身の実生活ははちゃめちゃなので、ついつい、読み物はハッピーエンドで、鼻歌が出てくるようなものをチョイスしがちです。
サガンをゆっくりと読める環境を取り戻したいと思います。

碧さんの

人生も、愛と孤独ですか?共感できてしまえるのが辛いのですか。
それで、ピッピの、不幸を幸福に変えてしまう能力に憧れるのでしょうか?

私は、傍から見れば孤独なのかもしれないけれど、孤独感を味わってはいないのです。だから読めるんでしょうね。いや、それ以前に、私の実生活ははちゃめちゃではないのでしょう。

何と言いましょうか・・・

私がフランス・・・というかパリについて持っているイメージと、サガンの作品の雰囲気(が、ちゃんとわかるほど多く読んではいないんだけど・・・^^;)が、とってもかぶる気がするんです。
オシャレで洗練されていて、魅力的なんだけどどうもよそよそしくて寂しくて・・・とか。
「愛と孤独」とも言えるかも。
なんか全然上手く言えないんですけど。

lazyMiki さん

パリに対してlazyMikiさんが抱かれるイメージと、サガンの作品の雰囲気が一致しましたか! パリに何日間も滞在したことがおありのlazyMikiさんが心で肌で感じたパリは、その本質を突いているのかもしれませんね。私は、たった1日プラス3日間で、しかもイタリアの都市との比較という見方しか出来ていなかったので、圧倒されるだけでした。

ある街と、そこに住む人間の共通性。
その街と、その人間が生み出す作品の共通性。言われてみれば、そういう共通性があって当然ですものね。

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いやいや

孤独ではないですね(笑)
孤独にあこがれて一人旅です。
ただ、小さい頃から不思議と私の周りにやってくる、ある種の人たちがいるのです。
彼らは「私は孤独なんだ」と必ず、こっそりと打ち明けるのです。
傍目には決してそうは見えない人たち。
彼らに、「裏切らない愛」がるんだと言う事を伝えていこうと、頑張ってきました。
結局体を壊したのは私でしたが(笑)
そんなわけで、気の思い人たちに会いに行くとき、私の心を軽くしておく本が必需品です。
だから、辛いのではなく、憧れ?かも知れません。
う~ん。上手く伝えられません。

碧さん

私の読み、大はずれでしたね。思わず「傍から見れば孤独なのかもしれない」なんて、私告白してしまいましたし。柄にも無く(爆笑)!

そうですか、貴方には孤独感を持つ方々が救いを求めてやってくるのですね。裏切らない愛を信じられない人でも、碧さんのことは信じられるんですね。重いですね。大変ですね。
お気楽に生きられたらいいのに!

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