この絵の名は「鳥の○○」~その4 

トルコ人作家が書いた一冊の本が開いた知的好奇心の扉。
この絵の名は「鳥の○○」~その1

一つの細密画の出自がだんだん明らかになってきました。
この絵の名は「鳥の○○」~その2
この絵の名は「鳥の○○」~その3

その細密画を描いた絵師がわかり、描かれた時期も大まかにわかり、まだ足りないもの。

20070902155958.jpgそれは、「いったい何の様子を描いたものなのか?」ということです。何故、これほど多くの鳥が集まっているのでしょう?
もう一度、この絵をご覧ください。





その答えは、実は、英語版Wikipediaに載っていました。
しかも、この本の英語版が現在出版されていて、日本でも購入が可能なのです。これには驚きました。

12世紀ペルシャの詩人 ファリド・ウッディン・アッタール(Farid Ud-Din Attar)が書いた4,500行の詩からなる「鳥の会議(The Conference of the Birds)」
「詩」ということから、叙情的なものを想像しがちですが、この本は、仏教の説法話のような内容でした。以下は、Wikipediaとamazonの商品説明を元に、私なりに解釈した内容です。

世界中のすべての鳥が集まる鳥の会議が開かれた。自分達に王がいないことを話し合っていると、一匹のヤツガシラ(鳥の種類)が、偉大なる王がいる。そこまで皆さんをご案内しましょうと申し出る。鳥たちは皆、始めは喜んだものの、その王に会うためには、長く厳しい旅をしなければいけないことを知り、危険を冒してまで旅することを躊躇する鳥、旅立たったものの途中で脱落する鳥たちもいて、最後に残ったのが30羽。自分達の王、理想的でしかも精神的な支柱ともなる王(神)を求めての長く辛い旅を終え、数々の体験の中で多くのことを学んできた鳥たち、いわば己を律し、修行に耐えてきた者達が、やっと出会うことができた王とは…。

答えは、英語版Wikipediaを読めばわかります。読まずとも、神は目で見えないものなのですから…。
 ・こちらThe Conference of the Birds(Wikipedia)

詩の作者 アッタールが、イスラム教のスーフィーの詩人ですので、スーフィーについて知ることで、この本のいわんとするところも見えてきます。
 ・参照スーフィー(Wikipedia)

そして細密画。他の鳥たちにスーフィーの修行をさせたヤツガシラが、絵のどこにいるかわかりましたか?右の方、岩の上にいますね。頭に羽根のようなものがついているので、わかりやすいです。
これは、ラストシーンなのか?旅の途中なのか?ヤツガシラが、鳥たちに、何かを教えているようですね。

さて、英語版の本ですが、下のリンク先ページ、著者のところの「もっと読む」をクリックすると、ノートの細密画と同じおもて表紙の絵や裏表紙、さらに中身の抜粋などが閲覧できます。 
 ・こちらThe Conference of the Birds

中身は同じだろうと思いますが、こちらからは、他の絵が見られます。
 ・こちらThe Conference of the Birds
  
    つづく

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コメント

会議!

まあ、そうだったのですね!
面白いですね。一枚の絵を追ってこれまたこちらで、私たちも会議中?
ellyさんの記事は、内容がぎっしりですよね~
私のブログについて沢山載せていただいて恐縮です。
今日、コメント欄が書き込み禁止になっていると問い合わせがあり、ショックを受けていたところです。
なにやっているのかしら私?

碧さん

碧さんのお陰で、楽しい会議をさせていただきました(笑)。

欧米文化とは異なり、普段触れる機会が少ないイスラム文化は、何かきっかけでもないと、なかなか興味をもたれにくいものなのかなと思います。でも、アンテナを張っていれば、日本にいても、触れる機会があるし、すばらしい芸術作品と出会えることもできるということを、今回のシリーズで皆さんに知ってもらえたらいいなと、思います。

碧さんからは、ためになる情報をいろいろお寄せていただいて、有難かったですし、大変楽しかったです。読んでくださった皆さんも、イスラム文化への興味が増したのでは?

あとで、そちらのブログにもお邪魔させていただきますね。

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