この絵の名は「鳥の○○」~その1 

暫く、サッカー以外のネタを書かずにいましたが、理由があったのです。私、16世紀のイスタンブールを旅していたんです。

虚構の世界の。

そうです。16世紀末オスマン・トルコ帝国の都、イスタンブールを舞台に、現代トルコを代表する作家 オルハン・パムク(Orhan Pamuk)によって書かれた歴史ミステリー小説
わたしの名は紅(あか)の世界におりました。20070831220846.jpg

オルハン・パムクは、2006年にトルコ人としては初めて、ノーベル文学賞を受賞した他、英国BBC放送の「21世紀を代表する21人の世界の文学者」の一人にも選ばれ、今年5月(2007年)にフランス・カンヌで開かれた第60回カンヌ国際映画祭では、審査員も務めています。
 ・参照AFP BBニュース
    オルハン・パムク(Wikipedia)


1998年に出版されたこのわたしの名は紅(あか)は23か国語に翻訳出版され、英訳版だけでも16万部売れるという、世界的ベストセラーだそうです。

さて、その内容ですが、
一人の細密画師が同業者の何者かに殺され、この壮大な物語の幕が開きます。この事件の裏には、細密画の伝統と相反する写実的で遠近法も用いる西洋画への憧れ、偶像崇拝を禁じるイスラムの教えに反する肖像画を描いてみたいという誘惑、伝統を重んじづつも、自分らしさ、スタイルを求めずにはいられない細密画師の葛藤、そしてそれらを良しとしないイスラム一派によって襲撃を受けるかもしれないという恐怖などがあります。

その犯人探しと平行して、子供の頃に細密画師たちと机を並べ、細密画を習ったことがあり、12年ぶりに故郷に戻り、恋を成就させたいと願う一人の青年と、その青年に愛された女性との一筋縄ではいかないラブストーリーが語られていきます。

私は、この本を読み始めてすぐに、今までその出自を知らずにいた、ある細密画を手にとってみました。
  つづく

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コメント

うわわー

興奮しています!!!
オルサさん、読みましたか。どうでした?
私、その本のこと紹介されたことあるんです(イスラムの子で、一夫多妻制について白熱してた時に・笑)。著者名もさっぱり忘れタイトルを記したメモも無くし、迷宮入りしてました。
邦題だけど多分これです。ちょと調べます。こんなところで出会うとは感激してます。オルサさん、ありがとう!

ケトルさん

最初、この本を手に取った時、分厚いので「ちゃんと最後まで読みきるかな?」と不安だったのですが、途中で投げ出すことなく読めました。

途中、過去の細密画師の大家の話や、作品の説明部分で、目で字を追いながら頭に入っていかないところが、所々あったものの、構成が独特で、犯人探しも、恋のお話も、読むほどにその先が読みたくなってきました。今度は、「雪」を読んでみようと思っています。それが読み終わったら、「イスタンブール―思い出とこの町 」を読む予定です。

私は趣味でイタリア語の本を読むのですが、オルサさんが記事にすると例のごとく興味が沸き、多言語に翻訳されているそうなのでこの本をイタリア語で読んでみたくなりました。

ただ心配なのは、オルサさん情報からの分厚いと言うのと、日本語でも頭に入ってこない部分があるという点です。

旅行の時に興味を持って読めそうな本を数冊買ってくるのですが、ストックが残り3冊になり、そろそろ新しい本も欲しくなりました。3冊のうち2冊は推理小説で、しばらく読めないうちに前の内容を忘れてしまい・・って点で外国語の推理小説は自分に向かないかも?って思いはじめました<後回しにした結果2冊残っているわけです>。

犯人探しって事は、推理小説ですよね。

そんな私にこの本は読めそうでしょうか?オルサさんアドバイスをお願いします。

また、機会があったら次の2冊のお勧め度合いも教えていただければ嬉しいです。

断然この作者さんに興味を持ちました!

ニキータさん

ジャンルとしては、ミステリー小説という分類になるのだと思いますが、一般的な推理小説とは趣を異にしています。確かに、最初に事件がおき、最後に犯人がわかるのですが、そのアプローチの仕方がジグソウパズルのピースがばらばらになったような状態で語られていきます。犯人の独白が何度も出てきますが、それは誰が語っているのかわからないし、中には殺しとは関係ない犬や、絵に描かれた木の独白も出てきて、作者の意図がわからなかったり、私が記事にも書いたように、あまりにも細かい細密画の描写に、一つ一つを頭の中でイメージさせるのが面倒になる部分もあるのですが、それらは謎解きには関係ないし、文章自体はいたって読みやすいです。登場人物もそんなに多くないです。

来年トルコにいらっしゃるご予定だと第2ブログの方でコメントされていたニキータさんですので、そのトルコの息吹を感じるためにも読んでみたらいかがでしょうか?

ワクワク

読み始めてすぐに手にとられたくなった
今までその出自を知らずにいた、ある細密画
もう知りたいです。
続きは、明日かしら。
興味津々。。。。。。

的確なアドバイスを有難うございます。

確かに一度日本語でも読んでみると、予定しているトルコ旅行にも役立つし、イタリア語版は実際見てから読めそうなレベルの文体かを判断し、プラス日本語版で得た予備知識が助けてくれるかもしれませんね。

読みやすい文章は外国語に翻訳しても読みやすいと聞きますし、少し希望が出てきました。

ありがとうございます。

トルコ人作家の作品、と聞いてまず最初に、「これを読めば、トルコ人の友人と共通の話題にできるかも」と思ってしまいました。
つい先日、この友人に「村上春樹の本いいよー」と薦められ、外人さんに日本人作家の本を薦められる私ってなんなのよ、と思ったところだったので、ちょっと逆襲になるかも、なーんて・・・。
ノーベル賞作家の作品、ていうところも興味ひかれます!

harulaさん

またいつものように、期待させるような終わり方にしてしまいました!

頑張れば、明日UPできるかな?
でも期待しすぎないでくださいね。

ニキータさん

次に読む予定と、ケトルさんへのお返事に書いた「雪」を早くも読み始めました。こちらは、設定が現代で、今読んでいる箇所の舞台が北東の国境に近い街。そこの市長が殺害され、若い女性達が次々と自殺していく真相を探りに来た男性が主人公のようです。政教分離を徹底させてきたトルコに、次第にイスラム原理主義者達が台頭してきたという背景が、この事件と関係があるようです。

こちらも推理小説のようですが、「わたしの名は紅」が色彩溢れ、華やかな部分も、暗い部分もあるのに対し、「雪」は、今のところ雰囲気が灰色のみ。参考までに。

lazyMikiさん

例のlazyMikiさんのお友達に、是非逆襲してください(笑)!

そのお友達が、あるいは一般的な世論として、オルハン・パムクがどのような位置づけで、どのように評価されているか、興味がありますので、わかったら、是非教えてくださいね。lazyMikiさんのブログ上でもけっこうですから。

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