イエローブック 

突然ですが、「黄色本」「黄本」から、どんな本を連想されますか?
20070103144143.jpg私が真っ先に思い浮かべたのが、こちらの絵本。子供の頃から好きなひとまねこざる(H.A.レイ作)。今やCurious Georgeという原題の方がポピュラーでしょうか。キャラクター商品もいろいろ出ていますものね。

他には、タウンページ(業種別電話帳)も、まさに「黄色い本」ですよね。

江戸文化に詳しい方なら、江戸時代中期の1775年以降に流行した「黄表紙」を、思い浮かべるかもしれません。草双紙という、絵が中心の、仮名で筋書きが書き込まれた物語、絵本の中で、特に大人向けに作られた読み物の総称が、「黄表紙」です。
 ・参照黄表紙(Wikipediaより)
江戸時代の戯作 黄表紙

また、IT関連に詳しい方ならば、CD-ROMの仕様書「イエローブック」を連想されるでしょうか。サイトのIT用語集で解説を読みましたが、私にはさっぱり意味がわかりません。
 ・参照イエローブック(IT用語集より)


さて、本題に入りますが、イギリスの場合、いくつか有名な「黄色本(黄本)」=Yellow Book(イエローブック)があるようです。Yellow_book_cover.jpg日本版のWikipediaにも載っている「The Yellow Book」がこちら。19世紀末のデカダンスを象徴する雑誌として称揚され、また非難を浴びた挿絵入り季刊文芸誌です。文芸部主任はアメリカの作家ヘンリー・ハーランドという人だったそうですが、その作家、私知りません。でも、絵画部主任の名前を聞けば、皆さんも「あぁ、あの人!」と聞き覚えがあると思います。ビアズリー(Aubrey Vincent Beardsley)20070103151743.jpgオスカー・ワイルド作「サロメ」の挿絵で有名ですよね。そのビアズリー、1895年にオスカー・ワイルドが男色の罪で逮捕され、大スキャンダルとなった時に、そのとばっちりを受け、無関係であったにもかかわらず「The Yellow Book」から追放されてしまったとか。独創的な挿絵で読者を魅了してきた絵画部主任の辞任後は、「The Yellow Book」は売上部数が急激に減り、その2年後には廃刊です。
 ・参照イエローブック(Wikipediaより)

もう一つ、イギリスのイエローブックをご紹介しましょう。こちらは、過去の本ではなく、現在も発刊している、ガーデニングの本場、イギリスならではの本20070103153917.jpg「The Yellow Book」。なんと一般公開している個人の庭、約3,500ヶ所を紹介しているガイドブックです。日本でも、特にバラが咲くシーズンなど、個人の栽培家が自慢の庭を開放することがあるようですが、そういう例は極めて稀ですよね。それが、イギリスでは一冊の本になってしまうというところが、スゴイです。しかし、この本は、単なるガイドブックではなく、ほかの意図が込められいます。この本を発行している「ナショナル・ガーデンズ・スキーム(The National Gardens Scheme)」は、1927年に設立。美しいプライベート・ガーデンを当時1人1シリングの入園料を取って一般公開しました。そして得た収益を、看護婦達を援助するための基金として活用したのです。こうしてスタートした寄付慈善団体が、この「ナショナル・ガーデンズ・スキーム」。そしてその活動に賛同したガーデナーの、「The N.G.S.のガーデン」としてのクオリティーを持っていると認められた庭が、「The Yellow Book」で紹介されているのです。現在は、入園料が2ポンド程度で、収益金が「ガン基金」や「看護婦のための福祉」のために使われているということです。
 ・参照「The Yellow Book」公式サイト
    The National Gardens Scheme 日本版

さて、日本、イギリスとイエローブックをご紹介してきましたが、イタリアでイエローブック
 libro giallo(リブロ・ジャッロ)というと、あるジャンルの本を指します。
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答えは、

探偵小説、推理小説です。
モンダドーリ社(Mondadori)というイタリアの出版社が推理、ミステリー小説の廉価版を黄色の表紙で出してから、この黄色い本が推理小説の代名詞となり、今や探偵小説、推理小説そのものを、出版社に関係なくlibro giallo(リブロ・ジャッロ)と呼ぶようになりました。
 ・参照モンダドーリ社の本

**本の紹介**本・雑誌

コメント

「イタリアで黄色の本と言えば、オルサさんはご存知かもしれませんが推理小説です」ってコメントに書こうと思いながら読んでいたら、”黄色い本”のオチはそれでした。

やはりオルサさんの情報力の厚さにはかないません!

ニキータさん

やはりご存知でしたか。
そもそもこの記事を書こうと思ったきっかけは、11月に録画しておいたNHKのBS「バラ大百科」という番組。今年になってやっと観て、イギリスのイエローブック(一般公開の庭の方)を知ったんです。イタリアの黄色の本は、以前から知っていましたので、それと結びつけて、記事に出来そうだなと。

オルサさん はじめまして!
TBありがとうございます。
3月にプチイエローブックを発行する予定で動いています。
サッカーも大好きなので、また遊びにきます(* ^ー゚)ノ

ねもみさん

プチイエローブックですか。面白そうですね。是非拝見させていただきたいです。
ねもみさんは、サッカーもお好きですか。是非また遊びにいらしてくださいネ。

黄色の本

謹賀新年!
黄表紙の本については杉浦日向子さんがNHK「お江戸でござる!」でしゃべっているのを見ました。
いろいろな黄本が各国であるんですね。ギリシャにはないです。
勉強になりました。

lemonodasosさん

杉浦日向子さん、亡くなられて何年もたったかと思いますが、「お江戸でござる!」での楽しい解説、懐かしいです。
ギリシャには黄本ないですか。残念。

あけましておめでとうございます!
2007年の新しい記事もとても面白かったです。黄色い本の世界いろいろですね~。
個人的には絵本のジョージが大好き。好奇心旺盛でいたずらのジョージにワクワクして読んだものです。
イギリスのイエローブックにも興味があります。さすがガーデニングの国ですね。

今年もよろしくお願いします。

さらさ さん

あけましておめでとうございます。今年も、どうぞ宜しくお願いいたします。

さらさ さんも絵本のジョージが大好きだったんですか?嬉しくなりますね。私は、子供の頃「ジョージみたいになりたい」「あんな風にいたずらがしたい」って憧れていたんですよ。その割りに、好奇心が旺盛とはいえない子で、大人になってから好奇心の芽がにょきにょき出てきた感じです。

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