「本」という名の船に乗って~その2 

昨日の本」という名の船に乗って~その1に引き続き、今日も船旅を続けていきます。

ご紹介した関容子著おもちゃの三味線で、松本幸四郎、中村吉右衛門兄弟のお母様による夫 松本白鸚さんの思い出話まるで上質の純愛小説の様!)を読み終えると、次には著者 関容子氏が取材で出逢った「やさしい人たち」との楽しい思い出話が始まります。

昨日、最後にヒントを出した「仏文学者の~。フランス語を勉強し始めた理由が当時としては異例なあの人。」

答えは、堀口大學でした。詩人でフランス文学者だった堀口大學(1892年~1981年)。アポリネールのあの有名な詩「ミラボー橋(画家マリー・ローランサンとの恋とその終焉を綴ってある)」の翻訳や、「星の王子様」でお馴染みのサン=テグジュペリの「人間の土地」「夜間飛行」他、多くのフランス文学作品を翻訳しています。

今まで、私にとって興味の無かった文学者でしたが、「おもちゃの三味線」によると、「19歳の夏、父君の任地メキシコで生活を共になさることになる。御生母を早くにおなくしになり、二度目の母君はベルギーの女性だったため、家庭の日常語がフランス語なので、どうしても覚えなければ用が足りなかったという。」つまり、継母がベルギー人だったために、フランス語を本格的に勉強せざるを得なかった。というきっかけが、当時としては珍しかったでしょうし、外交官の父とベルギー人の母との生活や海外での様々な経験が、彼の人格形成や思考方にどのような影響を与えたのだろうかと考えると、俄然興味が沸いてきました。

さらに、スペインで、かのマリー・ローランサンと知り合い、油絵の手ほどきを受けるようになり、師弟関係から友達、さらにはそれ以上の特別な関係であったらしいと知るに及んで、いったいどんな日本男性だったのだろうと、益々興味津々に。

後年、作品を日本語訳をすることとなるアポリネールの存在を大學が知ったのも、マリー・ローランサンの影響だとか。何しろアポリネールは、マリー・ローランサンのかつての恋人だったのだから。

どんなに魅力的な人だったのでしょう?堀口大學とは。若いころの写真を見てみたいものです。ネットで画像を探してみても、こういったものばかり。ちなみに右下の眼鏡をかけているのが大學です。

大學の人となりをもっと知りたくなり、本を探してみると、ありますあります。
 父の形見草~堀口大学と私:著者は一人娘である堀口すみれ子さん。
 黄昏の詩人~堀口大学とその父のこと:工藤 美代子著
20060813215127.jpgさっそく注文。「父の形見草~堀口大学と私」の方は、もう読み終えてしまいました。

意外にも、老年期の堀口大學は、日本の文学者そのものの趣向。食事は、肉より魚、お酒は日本酒だったそうです。海外生活が長くても、19歳までは日本で育ったため、体の中は純日本人だったのですね。

この2冊だけでも堀口大學、その人を知るには十分でしょうが、本人の回想が読めないものか?そして…。

[追記]この記事を書いた後、2007年2月にNHKで放送された番組 
シリーズ恋物語「堀口大學 遠き恋人に関する調査」。まさに、マリー・ローランサンとの恋愛話(仮想か現実か?)をドラマ仕立てで紹介したもので、西島秀俊が女性誌の記者を演じるなど、凝った作りになっていて面白かったです。この番組が、10月に再放送されますので、興味のある方はご覧ください。
NHKハイビジョン
2007年10月10日(水)23:15 ~25:05

   つづく
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数珠つなぎで

 あることに興味を持つと、どんどん深く調べて関連図書にまで読書の輪が広がっていきますね。私もそういう読み方をしたことがありますよ。

 ネットの画像は、年をとってからのものですね^^; オルサさんが気になるのもわかります(笑)

あつこさん

マイパソコンを購入してから、その数珠つなぎの読書の醍醐味を味わっています。すぐにネットで関連図書を調べて、購入できるので楽チンですね。
PCが無かったころは、調べるのに限界があり、欲しいと思った本を注文しても、在庫がないことが、すぐにはわからなかったり、なんやかやと時間がかかり、そのうちに興味が薄れてきたりして、こんな風に楽しめませんでした。

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  • [2006/08/23 20:24]
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中村吉右衛門中村吉右衛門(なかむら きちえもん)は、歌舞伎役者の名跡の一つ。江戸時代に名乗った役者が二人、近代に名乗った役者が二人(2007年現在)おり、おのおの代数を別にして数えている。*中村吉右衛門 (旧初代)*中村吉右衛門 (旧2代目)播磨屋系
  • [2007/09/11 06:40]
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