家を読む人〜その4 

  • [2010/01/28 01:10]
家を読む人〜その1家を読む人〜その2家を読む人〜その3と続いた「家を読む人」。
今回で締めくくる予定です。

初見でモラヴィアの家同様に期待はずれだった
マルグリット・ユルスナール(Marguerite Yourcenar)の家。女友達グレースとの旅の途上で見つけ、一緒に住み、終の棲家となった米国北部、モン・デゼール島の一軒家。居心地は良さそうだけれど、美的な趣向を凝らしているという風ではない。しかし、写真を一枚一枚丁寧に見ていくと、"彼女"を感じさせる部分をいくつか見つけだすことができます。

所狭しと置かれた膨大な量の書物、本棚の上に置かれたいくつかのギリシャ・ローマ彫刻のレプリカ、そしてユルスナールの名を世に知らしめた
名著「ハドリアヌス帝の回想」を想起させるローマ皇帝ハドリアヌスと、その寵愛を受けたアンティノウスの彫像の写真が、書斎の壁に掛けられているのです。彼女が座っていた椅子の横に。

この家を見つけたのが1949年、そして「ハドリアヌス帝の回想(原題:Mémoires d'Hadrien)が出版されたのが1951年。引越し後まもなく、ユルスナールはヨーロッパから持ってきた荷物の中、銀器の間に、この作品の冒頭部分の下書きを見つけます。一人黙々と筆を進めていき、まさにこの場所で「ハドリアヌス帝の回想」を書き上げたのです。


ユルスナールのアメリカの家。「あっ、そういえば」と思い出し、一冊の本を引っ張り出してきました。
ユルスナールの靴須賀敦子著「ユルスナールの靴」。
このエッセイの最終章「小さな白い家」で、須賀さんは友人らと主亡きその家を訪れた際の出来事と、沸きあがってきた気持ちや思いを素直に綴っています。

「まだ家中にみなぎっているユルスナールの精神みたいなものに、こんなところまで入ってきているのをとがめられそうな気がして…」
「マルグリット(ユルスナール)に申し訳ないという思いが…」etc.

作家(須賀さん)が作家(ユルスナール)の家を訪れてから さらに時を経た今、
私が「作家の家〜創作の現場を訪ねて」の写真を観ても、"ユルスナールの精神みたいなもの"を感じ取ることはできません。

それでも、ユルスナールが座っていた、あるいはタイプライターを打っていた、イメージを膨らませながら観ていた、そういう痕跡を観ていくうちに、作品からは窺い知れない日常生活の中の作家の姿、人物像が見えてくるように感じます。
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最近読んだ本本・雑誌

食を見直すチャンス? 

Oisix(おいしっくす)ってご存知でしょうか?
インターネットの食材宅配サービスのお店です。

その「おためしセット」を注文してみたんです。
一箱に12商品、有機野菜に低農薬野菜、卵やノンホモ牛乳、豆腐、豚肉などが入ったセットが到着しました。


折りしも、血液検査で肝臓機能が衰えていることが発覚。年末年始の暴飲暴食がいけなかったのか?いやアルコールは暴飲してないぞ。なら、サプリを飲みすぎ?とにかく、食を見直そうと思っていたので、体によさそうな食材というのは頼りになりそうです。しかも、味もいいらしい。

届いた商品の一部をご紹介します。
トマト スナップエンドウ左が千葉県産の「みつトマト」。
さっそく食べてみたのですが、果肉が軟らかくてジューシー。皮以外はほとんど歯ごたえが無いので、トマトではなく、何か他のフルーツを食べているような感覚です。
そして右側が熊本産の「スナップエンドウ」。
塩茹でと味噌汁に入れて食べてみましたが、とにかく甘いんです。おやつに、これだけを食べてもいいかなと思うほど。

小松菜こちらは、千葉で有機栽培された小松菜。
茹でて鰹節をかけて食べてみると、軟らかくて、箸が進みました。

その他、マイタケ、ニンジン、ジャガイモ、ブロッコリー、
あと皮ごと食べても安全という国産レモンも入っていたので、
追々使っていこうと思います。

野菜は、かなり美味しいなという実感がありましたが、豆腐は、普段食べなれているものとは味も硬さも異なるせいか、いつもの豆腐の方がいいなと思いました。

館ヶ森高原豚 そして館ヶ森高原豚の肩切り落とし。
画像があまり綺麗ではなく申し訳ないですが、こちらを生姜焼きにして食べてみたところ、大変美味しかったです。

私は最近、肉の匂いや味に非常に敏感になってしまって、肉料理を心から美味しいと感じる機会が少なくなってきているんです。食べたいから食べるというより、栄養のことを考えて、動物性たんぱく質も摂取しなければ。という考えの下、肉を食べることが多いです。
でも、この館ヶ森高原豚なら「食べたいから食べる」ができそうです。

体に、ある成分が不足していると思うと、すぐにサプリやその成分が添加された栄養補助食品に手を出してしまいがちですが、本当は、体によくないものが付着していなくて、食品本来の栄養素をしっかり蓄えている食べ物をバランスよく食べるのが、体には一番いいことなんでしょうね。


Oisix(おいしっくす)に興味がおありでしたら、こちらをどうぞ。
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これは美味い!!グルメ

家を読む人〜その3 

  • [2010/01/22 00:21]
家を読む人〜その1家を読む人〜その2の続きです。

代表作「無関心な人びと」や、
映画化され、イタリア文学に馴染みの無い方でも題名だけは聞いたことがあるかもしれない「金曜日の別荘」などの作品で知られる
作家 アルベルト・モラヴィア(Alberto Moravia)の別荘。

ローマから南に1時間。ティレニア海に面し、チルチェーオ(Circeo)山が迫る<注意:本の中ではチルケオと表記されていましたが、チルチェーオもしくはチルチェオです>海辺の町。そこに建てられた、装飾を廃したシンプルすぎる家具やファブリックが置かれた別荘。ベッドと机が置かれた窓際の彼の仕事部屋は、まるで子供の勉強部屋。初めてその写真を観た時、軽い失望を覚えました。

それで読むのを後回しにしたのですが、前回書いたように、部屋がシンプルなのには理由があったのです。


モラヴィアはきっぱりと、こう言っています。
「過去には興味が無い。過去は私を悲しませるだけだ。思い出にも興味が無い。」

彼は、時代を経た古いものを好まなかったといいます。家という家が彼をうんざりさせ、人生で唯一愛着を抱かせた家が、この本で紹介された海辺の別荘だったそうです。

いったいどういう過去が、どういう思い出が、彼に苦痛を与えていたのだろう?過去に結びつく物を完全に閉め出した、そうせざる終えなくなった苦い思い出とはいったいなんだったのか?
この本だけではわかりません。ただ、略歴にあった幼少期に脊椎カリエスを病み、17歳まで学校に行かずに療養生活を送ったことや、第二次大戦中、ファシズム批判により本が発禁処分を受け、戦後は教皇庁により全作品が禁書リストに載せられたこと、
友人でこの地を同じように愛したパゾリーニの死が影響しているのかもしれません。

彼の仕事部屋、タイプライターの置かれた机の前には大きな窓。そこから見える海の先には、彼が愛し「自然が作り出した最も高貴な記念碑」と称えたアフリカが。
彼の思い出は家の中にではなく、窓の外に、そして彼の頭の中に広がっていたのですね。

     つづく

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日記日記